1.はじめに
寒かった今年の冬ももう少しで終わろうとしておりますが、今まで住んでいた住居と「おさらば」して、再び来る寒い冬に備えようと考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
雪国の山形県では暖かい家に住みたいと考え、最近、酒田市・鶴岡市の庄内地方で新築・リフォーム・リノベーション工事をお考えの多くの方々が、三川町の住宅展示場に行くようです。
展示場では、量産ハウスメーカー各社のモデルハウスでセールスマン達は、一様にUa値(外皮平均熱貫流率)の話をする事が増えてきたと聞いております。※令和3年4月より住宅の性能をお客様に説明するのが義務化。
Ua値の値が小さければ暖かい家が手に入る?
そのセールスマン達が言うには、「UA 値の値が小さければ、暖かい家が手に入りますよ」と言ってるとのお話ですが、果たしてそうでしょうか?
新築・リフォーム・リノベーション工事をお考えの皆様方、セールスマン達の話を鵜呑みにしてはいけません。
ご自分で考えてみてください。
Ua値が良い値(小さい値)であれば、さも暖かい家が手に入る事を言い、契約を急がせているようですが、
Ua値(外皮平均熱貫流率)の値が小さければ、全ての事がクリア出来ると考えての事なのでしょうか?
これは間違いなのです。
心身共に快適で住みごこちの良い ”暖かい家”を手に入れる為には、Ua値だけで判断すべきでないのです。実は、私が一級建築士だから申し上げるのではないのですが、Ua値(外皮平均熱貫流率)は計算で幾らでも良い値は出るのです。
寒い家で我慢されますか?
もし、Ua値が良い値(小さい値)で良かったと思って建てた住宅、夢の新宅が寒かったら、あなただったらどうされますか?
建築業者に話が違うと文句を言いますか?
それとも新築住宅はこんなもんだと思い込み、諦めて、そのままお住みになりますか?
それとも業者に何回話しても「ラチ」があかないので泣き寝入りですか?
このように、実際に建てた住宅が寒かったと言うお話しが、あちらこちらから聞こえてくるのを、あなたはご存じですか?
<酒田|鶴岡|で新築・リフォーム・リノベーション工事をお考えの皆様方!>
後から後悔しないために、どのような事に気をつけたら良いのかを意識するだけで、心身共に快適で住みごこちの良い「暖かい家」が手に入るのです。
具体的には、次章からは「暖かい家を手に入れる条件【8つのポイント】」として述べさせて頂きます。ぜひご参照下さい!
2.暖かい家を手に入れる条件
【1.Ua値=外皮平均熱貫流率】
暖かい家を手に入れる条件の1つ目は、Ua値(外皮平均熱貫流率)です。
Ua値とは、外皮からの熱の逃がし難さを数値で表したものです。その値が小さい程、熱が逃げない住宅になり、暖かい家を手に入れる第1歩を確保する事が出来るのです。
さらにUa値の詳しい意味について知りたい方は下記をクリックして下さい。
【2.U値=開口部=玄関サッシ、窓等】
暖かい家を手に入れる条件2の‟U値”について、開口部(玄関サッシ、窓等)等ご説明いたします。「心身共に快適で住み心地の良い家」”暖かい家”を手に入れる為には Ua値 が大事であるという事は前章で申し述べさせて頂きました。
外皮の壁面に取り付ける玄関サッシ、勝手口、窓等の開口部の性能も、Ua値と同様に重要となって参ります。
この開口部の性能を表す値がU値(熱貫流率)です。
前章で記述いたしました Ua値と非常に紛らわしいのですが、U値は、単体の断熱材、開口部材等、単独の商品に対しての熱の逃がし難さを表す値です。この値も、小さい値の方が性能が良く、熱を逃がしにくい、”暖かい家”を手に入れる条件の一つになります。
玄関サッシ、勝手口、窓等のサッシにつきましては、各メーカー毎に、ガラスの種類によっても熱の貫流率が違います。よって、量産ハウスメーカー各社の営業マンに確かめ、夫々どこの、量産ハウスメーカー・地場ビルダー・工務店のサッシが熱貫流率が小さいのかを比較をする事が大事です。
具体的に少し述べさせていただきます。
最初に、玄関サッシについてです。
玄関に使用するサッシは、玄関ドアと玄関の引き違い戸が有りますが、ドアと引き違い戸ではU値に大きな差が出て参ります。
引き違いサッシについては、気密を取るのに摩擦で取るという形になっています。昨今の技術的な進歩もありますが、中々良い値(U値)が出ていないのが現状です。
一方、玄関ドアの場合はご承知の通り、ガチッと圧力を掛けて締めますので、気密が取り易くなっているためU値で良い値が出ます。
今度は、窓に目を向けてみましょう。
窓も熱貫流率の観点から見ていきますと、U値の小さい順から、
樹脂サッシ<アルプラサッシ(外側アルミで内側樹脂)<二重アルミサッシ<単板アルミサッシとなります。
樹脂サッシにも、ガラスの種類があります。これもU値の小さい順に、
トリプルガラス<ペアガラス(空気層が16mm、12mm、9mmとあり、空気層が大きい値の方が熱を逃がし難くなる)<単板ガラスとなります。
トリプルガラスは、外側のガラスは遮熱、内側のガラスは断熱仕様になっており、夏・冬とも効果が見込めるかと思います。
以前私共が、真夏に内覧会をさせて頂いた現場では、リビングにカーテンをしてなかったにも関わらず、午後2時から4時の一番熱い時間帯でも、リビングの床は冷たいままでした。内覧会に足を運んでいただいた皆さんが、トリプルガラスの効果にびっくりしておりました。
更に、ペアガラスにも種類が有ります。
- 外側のガラスに金属コーテイングを施してい遮熱仕様のもの
- 内側に金属コーテイングを施している断熱仕様のもので、ブラウンとグリーンの色がつくもの
- 中間の空気層にアルゴンガスを封入し、熱を逃がし難しくしているもの
- Low=Eガラス など
以上のように、全て記憶するのは難しいですが様々な角度から、窓・開口部についても見えてくるのではないでしょうか?例えば、遮熱なのか断熱なのかという区分や、各業者の”性能と価格”との関係も見分ける事も出来るようになります。
以上、暖かい家を手に入れる条件1と2について躯体性能のUa値、U値で表す断熱材、断熱ドア、断熱引き違い戸、樹脂サッシ(トリプルガラス)樹脂サッシ(ペアガラス)等の性能に関わる話を紹介させていただきました。
【3.C値(隙間相当面積)=気密測定】
暖かい家を手に入れる条件3 の ‟C値(隙間相当面積)=気密測定”についてお話ししてみたいと思います。
暖かい家というのは条件1と2でもお話ししてきましたが、それだけでは、「心身ともに快適で住み心地の良い」”暖かい家”は手に入れることはできません。先ほどご説明したUa値、U値にプラスして気密レベルがどの程度かと言う事が大切になってきます。
いわゆるC値(隙間相当面積)のことをいいます。
このC値につきましては用語集に詳しく記載しておりますのでそちらをご覧下さい。
以上、換気システムについて紹介させていただきました。
【6.換気計算>>>換気過多、換気過小】
暖かい家を手に入れるための条件6の‟換気計算”についてお話しさせていただきます。
現在、換気についての基準は、国で定めてる基準がございます。その基準とは,「住宅の室内体積の空気を2時間で総入れ替えしなさい」という事です。
私ども人間が、住宅の中で毎日生活をしていきますと、トイレには臭いがありますし、浴室では湿気を出します、又キッチンでは調理の臭い、湿気も出てまいります。又リビングではご家族が集まりますので、我々の呼吸で排気するCO2で室内が汚れてしまいます。
このように住宅には、換気システム設置が必須になっており、建物を建築する前に申請を出す確認申請書に、換気図面及び計算書等を添付しませんと確認が下りないということになっております。
以上のように、部屋の箇所毎に、対応できる換気システムであれば、尚更良いわけです。
尚、設計通りに換気してるかどうかを建物完成後に風量測定を実測をし、お客様にもご提出しております。
もし微調整が必要な場合については、調整をして設計通りに換気システムが稼働するようにして、お引き渡しをしております。
換気システムによる換気過多、換気過少については、前章で話しさせて頂きましたので割愛させていただきます。以上、換気計算についてでした。
【7. 設備設計能力>>>イニシャルコスト・ランニングコスト】
暖かい家を手に入れる条件7、‟設備設計能力”についてお話いたします。
1から6までの条件全て満たした後は、その建物の躯体(構造体)の性能に合わせた暖冷房設備の的確な設備設計が必要になります。
具体的に押し上げますと、Ua値がどういう値で、密レベルがどの程度の値なのか等々を分かってそれに合わせた設備設計が必要なわけです。
設備設計ができなかったり、誤った設備設計をしてしまいますとイニシャルコストが掛かりすぎたり、ランニングコストに影響が出たりと弊害が出てくることは当然の理であります。
設備設計も重要な条件である事はお分かりいただけたことと思います。
【8.バッチ測定>>>室内空気測定】
暖かい家を手に入れる条件8、バッチ測定>>>室内環境空気測定についてお話いたします。
この条件は、ひょっとすると忘れがちと言いますか、行っていない業者が100%です。
行っておりますのは、「FPの家」を施工している心ある業者のみでしょうか?(「FPの家」を施行しているからと言って気密測定を全棟行っているとは限りません)
以前、住宅を新築し、引っ越した後に頭痛やめまい、吐き気等があり、シックハウス(新築病)が社会的に問題になりましたが、夢のマイホームの室内が薬物等々で汚染されていたらどう思いますか?
室内空気環境が、きれいかどうか、今一度確かめるべではないでしょうか?
室内空気測定をしっかり行っている業者を選択すべきだと思いますがいかがでしょうか?
3.【1】~【8】以上に大切なこと
これまで暖かい家にするための【1】~【8】のポイントについて述べてさせていただきましたが、これらのポイント以上に大切なことがあります。
何が大事かといいますと「施工力」「監理力」です。
具体的に申しますと、床・壁(4面)・天井の外皮に、熱伝導率の小さい断熱材を厚く、正しい施工方法で入れることです。
「どこでもやっているんじゃないの?」と思われる方もいるかもしれませんが、正しい施工をし、正しく断熱材が入っているかをチェックする監理者がいるからこそ暖かい家ができるのです。
更に詳しく、高断熱・高気密住宅で暖かい家の作り方を、お知りになりたい方は、下記の「正しい高断熱・高気密住宅12のチェックポイント」をクリックして下さい。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか?
暖かい家を手に入れる8つの条件ご理解いただけましたでしょうか?
この条件を、徹底して行なって頂ければ、間違いなく「心身ともに快適で長生きできる”暖かい家”」ができることと確信しております。
最近、Ua値のみが一人歩きをして非常に危険だなと感じておりましたので、失敗しない住宅を建築して頂きたく「暖かい家を手に入れる条件」として述べさせていただきました。
もし ご不明点やご質問がございましたら、下記のお問い合わせフォームからお寄せいただければ幸いです。
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