1.まえがき
山形県の酒田市・鶴岡市で新築注文住宅や、リノベーション工事・リフォーム工事をしようと考えている方々、「硬質ウレタンフォーム」の断熱材で間違えないで下さい。
量産ハウスメーカーや地場ビルダーのセールスマンや社員は、「工場生産型硬質ウレタンフォーム」ではなく「現場発泡系硬質ウレタンフォーム」を使用して、さも数ある断熱材の中でも、特に優れている断熱材で有るかの如く喧伝し、売り上げを伸ばしている業者がいるようです。
果たしてそれが、本当にお施主様を思っての事なのでしょうか?
一時マスコミを賑わした東京多摩市でのビル火災を起こした工事中の建物のお話も、記憶に新しい事と思いますが、ご存じない方いらっしゃるかもしれませんので、少しだけ触れさせて頂きます。
東京多摩市の現場では、地下三階の天井に吹き付けた現場発砲系硬質ウレタンフォームが燃えて、辺り一面に黄色い煙を出し、大事になった記事を新聞やTVで報道されました。
何れも、「硬質ウレタンフォーム」に絡むお話です。
量産ハウスメーカーや地場ビルダーのセールスマンや社員の話に惑わされず、正しい「硬質ウレタンフォーム」を選択し、可燃性のある間違った断熱材選びをなさらいようにとの願いを込めて、お話しさせて頂きます。
2.硬質ウレタンフォームには、2種類がある。
建築業界で、断熱材として使用している「硬質ウレタンフォーム」には、大きく分けて
・「現場発泡系硬質ウレタンフォーム」
・「工場生産型硬質ウレタンフォーム」
の二種類が有ります。
※今回東京の多摩のビル火災で使用されたのは「現場発泡系硬質ウレタンフォーム」で、施工を担当したのは安藤ハザマ組という大手の会社です。
「現場発泡系硬質ウレタンフォーム」の性質と特徴について!
「現場発泡系硬質ウレタンフォーム」は、主成分のA液とB液に接着性の溶剤を混ぜ合わせて現場吹付発泡をさせます。
その為溶剤による気化ガスが多量に発生し、引火しやすく、出来た製品や現場は、燃え易く、燃焼に対して極めて危険が高いといわざるを得ません。
どうしてこのような事故になったのかと言いますと、今回の現場もその例に漏れず、工事中に何らかの火花が「現場発泡系硬質ウレタンフォーム」に引火し燃えたものと思われます。
近年、工場生産型の「硬質ウレタンフォーム」が、熱伝導率が小さく、断熱力(熱抵抗値)が優れている事を改めて認識した工務店、ビルダー、量産ハウスメーカーの一部でも、硬質ウレタンフォームであれば、全て同じだと勘違い(?)意図的(?)かは、判りませんが、「現場発泡系硬質ウレタンフォーム」を、さも同じ効果があるかのように喧伝して、新築注文住宅にも使用しております。
「現場発泡系硬質ウレタンフォーム」は、値段が安く、熱伝導率もグラスウールとほとんど同じ位で可燃性には問題があるのです。
最近は、新築注文住宅の他に、リフォーム工事・リノベーション工事の、床、壁等にも使用しております。
その素材で完成した新築注文住宅は、可燃性が強いので危険なのです。
「工場生産型硬質ウレタンフォーム」性質と特徴について!
それでは、工場生産型の「硬質ウレタンフォーム」は、どうなっておるのかと言いますと、溶剤を使用しておりません。
生産段階で「難燃剤」を混入しておりますので、燃焼の起因となる事は無く、人体に影響を及ぼす事もありません。
ウレタンの発火温度は250℃前後であり、木材とほぼ同じです。(木材の発火温度は270℃前後)、 又工場生産型の「硬質ウレタンフォーム」を利用して「ふぐ」の養殖の生け簀にも利用しておりますし、夏祭り等で見かけますが、金魚の入れ物等にも利用しております。
従いまして、人体に与える影響はないと言えます。
3.まとめ
以上述べて参りました通り、多摩市のビル火災で、現場発泡型硬質ウレタンフォームが燃えたというニュースをご覧になり、少なからずご心配をされている方もいらっしゃることでしょう。
高断熱・高気密住宅は時代の趨勢になりつつある現在、高断熱に関係する断熱材の事でもあり、新築注文住宅・リフォーム工事・リノベーション工事をお考えのあなた!
間違った断熱材選びをされない事を祈りながら、ペンを取らせて頂きました。
今回は、紙面の関係でこの辺で終わらせて頂きます。