1.はじめに!

新築は耐震等級3,省エネ等級(断熱等級)6以上が目安!

2022年4月より省エネ法の改正により、新築で注文住宅をお考えの方は、更に性能を重視した建物を志向するようになってまいりました。具体的に申し上げれば、地震に強い耐震等級3,健康で省エネで熱抵抗値が優れている省エネ等性能等級6・7(断熱等性能等級6・7)を目安に考える方が多くなりました。

リフォーム・リノベーション工事は耐震診断必須、上部構造評点1.5以上が目役!

又、リフォームやリノベーション工事での耐震改修断熱改修をお考えの方々も、耐震診断(一般診断法)で現況建築物を調査・診断し、上部構造評点1.5以上(新築の耐震等級3と同等以上)目途にリフォーム・リノベーション工事を行い、地震にも強く、健康で省エネな安心できる住み心地の良い住宅を求める方が多くなってきました。

地震が来ても自分の所だけは大丈夫だと思っていませんか?

最近、日本全国あちこちで、震度3から4クラスの地震が発生しております。地震の規模が小さいと言う事もあるかも知れませんが、「自分の所だけは、大丈夫だ!」と内心、何も根拠が無いのに、変な安心感をお持ちの方が多いようにお見受けします。

震度7クラスの地震が来たらどうなるとお考えですか?

本当に震度7クラスの地震が、この地に発生したら、どうなるかお考えになった事があるのでしょうか?自分の所だけは「大丈夫だ」で済むのでしょうか?

平成28年4月に発生した熊本地震のように、震度7の地震が2度来る事もあるのですから、そんな時を想定して耐震補強をし、地震に強い家にするためには、上部構造評点1.5以上(耐震等級3に相当)の家にし、安心な生活を手に入れたいとは思いませんか?

2.耐震等級とは?

耐震等級とは、住宅の品質確保の促進に関する法律(品確法)の中で、住宅の耐震性能をランク付けした等級のことです。

耐震等級1,2,3の内容について!

住宅性能表示制度の「構造の安定に関すること」の項目で、等級1(一般的な住宅の耐震性能)、耐震等級2から等級3まで3段階で表示されています。

耐震等級1は、建築基準法レベルの耐震性能を満たす水準とし、等級2はその1.25倍等級3は1.5倍の強さがあることを示します。

更に等級毎にまとめてみますと

<耐震等級1>

■耐震等級1=建築基準法(法律)にて定められている、最低限の耐震性能。

・数百年に一度程度の地震

・(震度6強から7程度)に対しても倒壊、崩壊しない程度。ただし、大規模修繕や建て替えとなる可能性がある。

・数十年に一度発生する地震

・(震度5程度)は住宅が損傷しない程度

命は守れるが、住み続ける事は出来ない!

<耐震等級2>

■耐震等級2=建築基準法の1.25倍の耐震性

・建築基準法レベルの耐震性能の1.25倍の地震に対して倒壊、崩壊しない程度

震度6強~7の地震でも、一定の補修程度で住み続けられるレベル。
※学校や避難所といった公共建築物に等級2が多い。

<耐震等級3>

■耐震等級3=建築基準法の1.5倍の耐震性

・建築基準法レベルの耐震性能の1.5倍の地震に対して倒壊、崩壊しない程度

・建築基準法レベルの耐震性能の1.5倍の地震に対して損傷しない程度

・震度6強~7の地震でも、軽い補修程度で住み続けられるレベル。

命と財産を守れて、住み続ける事が出来る!

※消防署や警察署といった災害復興の拠点となる防災施設に等級3が多い。
参照:地震などに対する強さ(構造の安定) | 一般社団法人 住宅性能評価・表示協会

※耐震等級の取得には申請が別途必要ですが、耐震等級が証明されれば、地震保険料の優遇(等級3で50%)、フラット35利用時の金利優遇、贈与税の非課税枠の増枠などが受けられます。また、長期優良住宅とすれば、住宅ローン控除・不動産取得税・登録免許税・固定資産税などの税制優遇が受けられます。

3.熊本地震のような震度7クラスの地震が2度来ても住めるような家とは?

前の項でも述べさせて頂きましたが、耐震等級1、耐震等級2、耐震等級3のレベルでは、かなり大きな違いが見えてきますが、お解り頂けましたでしょうか?

耐震等級1では、命の危険性は回避されますが、住まいとしては、2度と住み続けることは出来ないレベルなのです。

実際に熊本地震の後に現地に赴き、建物の調査をし、被災された方の話しを聞いた方のセミナーでの話しでは、耐震等級1の家に住まわれていた方は、住宅ローンの残債も残り、その上建物の解体をし、新築住宅を建築するとなると、莫大な負債を抱えてしまうので、どうしようかと悩んでいる方が多くいらっしゃったそうです。

耐震等級3の建物は安全!熊本地震

(数ある工務店又は一級建築士の中には、耐震等級3にすると余りにも構造重視になり、「住みごこち」が疎かになるような、さもご尤もなご意見を言う方もあるようです。果たして本来のやるべき構造計算をされて、その様な事をおっしゃっているのか?甚だ疑問を感じざるを得ないのは私だけなのでしょうか?惑わされないようにして下さい

上記の表は熊本地震における木造住宅の建築時期別の損傷比率を建築学会が熊本地震で最も被害の大きかった益城町中心部における悉皆調査を行った結果です。その中で2000年6月以降新築された住宅のうち無被害が196棟ありました。その中で耐震等級3の住宅は16棟ある中で無被害が14棟あったことが分ります。このような結果からも耐震等級3の住宅にすれば、大地震があっても安心できることが分ります。

耐震等級3で建築する建物の追加費用は?

片や、耐震等級3で建てられた建物は、「殆ど何も無かったかのように、燦然と建っているのが印象的でした」と語っておりました。建物規模にもよりますが、凡そ30万円~60万円位のご予算で、構造計算をお願いし、耐震等級1の建物を耐震等級3の建物にして、あなた自身とご家族の安心を手にする事ができるのです。(屋根、壁、床の構造用合板、木材による筋違い、釘、金物等の費用です)

熊本地震のように震度7クラスの地震が続けて2度来ても、その後も住み続けられる、そんな地震に強い耐震等級3の建物を是非新築・リフォーム・リノベーション工事する時にご検討下さい。

現在あなたが住んでいらっしゃるお住まいが(住宅)、どんなレベルの耐震等級かも分からない方は、今一度「耐震診断」をしてみては如何でしょうか?(耐震等級1、耐震等級2の方共々に!)

4.まとめ

如何でしたでしょうか?

「地震国日本」と言われる我が国、至る所に活断層がある当地方でも、”備えあれば憂い無し”です。是非、このサイトをご覧頂いた方々お一人お一人が、ご自分の住まいの現況を把握されて、耐震改修が良いのか、お建て替え、新築が良いのかをご判断出来れば幸いです。以下に、今回述べさせて頂いた点をまとめます。

熊本地震のような大きな地震(震度7クラスの地震が2度来た)にも大丈夫な家?

  1. 耐震等級1の建物は、命の危険性はないが、2程度住み続ける事は出来ない。
  2. 耐震等級3の建物は、命の危険性も無く、建物も住み続けることが出来る。
  3. 現在お住まいの自己所有の住宅を、耐震診断を早く行い、耐震改修を行う事が大切です。

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